Artist Statement -MIYOKO-
CONTEMPORARY ART CURATOR MAGAZINE (2026.1)
“存在”と”心”についてあらゆる概念を排除し、独自の世界観の中で一つの哲学を持っている。
私の創作の根幹には、絵画という永遠の響きがあり、それは”存在”そのものに内在する精神的対話によって形づくられている。
自然の中に見られる複雑化されたあるあらゆる動的、静的模様を時空の顕れとして捉え、被写体に宿る魂と感情は、感覚的に捉えられ描写される。
私にとって、絵画とはそういったものの表現に過ぎない。
そして、それは”生”と”死”の境界を超越した永遠なるものでもある。
さらに付け加えれば、
心と身体に響く感情的振動が、頭の中で線となり色となり形成されるのが描写ということになる。
精神的次元における”存在”、そういったものとの出逢いと直接的対話が叶った時、それは描かれる。
私が創作をする上で、表面的な美や規制的な価値体系は、いかなる意味も持たない。
あらゆる概念は、人類の創造によるものに過ぎない。
無限、未知、自由の中に解放された、感覚的感情的な世界観の中で生まれる衝動、それが私の創作の源となり、私自身の”存在”を形づくるものでもある。
I hold a philosophy of my own, one that transcends all established notions of “existence” and “the mind,” unfolding within a world of my own vision.
At the very core of my artistic practice lies the eternal resonance of painting, shaped by an inner spiritual dialogue inherent in “existence” itself.
I perceive the myriad complex patterns of movement and stillness found in nature as manifestations of space and time. The souls and emotions residing within my subjects are intuitively perceived and brought into expression through my work.
To me, painting is nothing more than the expression of these intangible dimensions of existence. And yet, it is also something eternal, transcending the boundaries between “life” and “death.”
To elaborate further, the act of painting is the process through which emotional vibrations that resonate within the mind and body take shape as lines and colors in my consciousness, ultimately finding expression on the canvas.
My work emerges when I encounter “existence” on a spiritual plane and enter into direct dialogue with it.
In my creative practice, superficial beauty and conventional systems of value hold no significance whatsoever.
All concepts are, after all, nothing more than constructs of human creation.
It is the impulse that arises within a sensory and emotional universe liberated into infinity, the unknown, and freedom that becomes the source of my artistic creation. It is also this impulse that gives form to my own “existence.”
Biography -MIYOKO-
CONTEMPORARY ART CURATOR MAGAZINE (2026.1)
※English version below.
“存在””心”をテーマに、独自の画法により創作した作品を日本から世界に発信しているアーティスト。
幼少期から木々や花々、動物を、”心ある存在”として捉え、それらとの言葉なき対話、あるいは共鳴する感情の波動が作品創作に大きく影響している。
自身にとって創作は、何かを描こうとする意図的なものではなく、感情の波動から生まれる線と色彩が頭の中で舞いながら形成されていくもので、それは習うという対象のものではなく、精神的探求の延長線にある表現行動の一つに過ぎない。
生活環境が、幾度となく外的な要因によって突如大きく変化し、家庭、社会の制約の中で、その表現が自ずと抑制された時期もあるが、想像の世界で描かれていく感覚と、芸術に触れた際に受ける波動が徐々に重なっていくことを実感するようになる。
2020年、インテリア業界に従事している時期に、ある出逢いが契機となり、デジタルプリント壁紙用の絵をPC上で描き始める。
多層が叶うデジタルプリント壁紙向けの絵の構成は、内装に合わせてアレンジ出来き、この表現手法は、やがて実際の筆による加筆を伴う現在の絵画作品へと発展し、独自の創作技法として確立されていった。
2021年から作品をSNSで公開、その後、作品は国内外において受賞歴を重ね、ニューヨーク、ヨーロッパ各地など海外でも展示の機会に恵まれる。
近年の主な活動として、2025年にアメリカ•ニューヨークアートエクスポ、フランス•パリで開催されるサロンドートンヌ展出展、ル•サロン展入選が挙げられる。
MIYOKO is a Japanese artist whose work explores the themes of “existence” and “the mind.” Through her distinctive artistic technique, she shares her work with audiences around the world.
Since childhood, she has perceived trees, flowers, and animals as “beings endowed with a soul.” Her wordless dialogues with these living beings, along with the emotional vibrations that resonate between them, have profoundly influenced her artistic practice.
For MIYOKO, creating art is not a deliberate act of attempting to depict something specific. Rather, lines and colors emerge from emotional vibrations, moving and taking shape within her mind. She does not regard artistic expression as something to be learned through conventional instruction, but as a form of creative expression that arises naturally from her ongoing spiritual exploration.
Throughout her life, her living circumstances have undergone dramatic and often sudden changes due to external factors. There were periods when the constraints of family and society naturally suppressed her ability to express herself. Yet, over time, she began to recognize a gradual convergence between the imagery unfolding within her imagination and the vibrations she experienced when encountering art.
In 2020, while working in the interior design industry, a significant encounter inspired her to begin creating digital artwork on a computer for digitally printed wallpaper.
The multilayered possibilities of digital wallpaper printing allowed her to develop compositions that could be adapted to individual interior spaces. This experimental approach gradually evolved into her current painting practice, which incorporates additional work with traditional paintbrushes. Through this process, she established her own distinctive artistic technique.
MIYOKO began sharing her work on social media in 2021. Since then, her work has received recognition through awards in Japan and internationally, and she has had opportunities to exhibit abroad, including in New York and various locations across Europe.
Among her notable recent achievements, in 2025, she exhibited at Art Expo New York in the United States and at the Salon d’Automne in Paris, France. She was also selected for Le Salon, further expanding her presence on the international art scene.
Interview -MIYOKO-
CONTEMPORARY ART CURATOR MAGAZINE (2025.12)
Q1. ミヨコさん、あなたの作品は、花や鶴、その他のモチーフを装飾的な記号としてではなく、独自の存在論を宿す存在として捉えています。それぞれの形を感情を持つ生きた存在として語るとき、どのような概念体系を想起しているのでしょうか?あなたのテーマ世界における継続的な構造として、この存在へのこだわりをどのように理解しているのでしょうか?
A1. 薔薇や鶴を「心、感情を持つ生きた存在」として捉えているのは、私の頭の中で、物理的、時間的概念から解き放たれた異次元の世界観があり、そこでは彼らがそのように映るからです。それは「心、感情の姿」であり、各々が持ち得る普遍的な「真善美」という凛とした姿が薔薇の花の中に映し出されることもあります。そうした頭の中に描かれた「存在」のビジョンを、作品として永久に残したいという気持ちが、私にとって幼少期からの変わることのない創作へのこだわりとなっております。
Q2. あなたの作品における背景のフィールドは、宙に浮いた時間と空間として機能し、まるで表象が形而上学的な雰囲気へと溶け込む境界のようです。可視性と不可視性の間のこの隔たりをどのように捉えているのでしょうか。そして、物語性や比喩的な明瞭さを追求するのではなく、なぜこのテーマ的なパラダイムに留まるのでしょうか。
A2.私の作品の背景は、「時空」を意味します。それは、「存在」という、時間の概念を超えたものをオブジェとして表現する為に必要であり、結果的に、目に見えない、感覚的な空間を「光と影」、抽象的な「記憶的描写」、「動」により表現することが多いのですが、意識的にしているものではありません。それらは創作過程の中で直感的に浮かび上がってくるものです。
Q3. PCマウスを描画ツールとして使用することは、アーティストの手という伝統的な主題を置き換え、物理的な不在と美的精密さの間に緊張関係を生み出します。あなたの見解では、この技法は、現代の指示性と痕跡に関する言説の中でどのように機能するのでしょうか?創造的な行為の意味や地位を変えるのでしょうか?
A3.PCマウスを描画ツールとして使用するという言及は、私の創作プロセスを説明する目的に留まります。現在の手法で創作を始めた頃、たまたまPCマウスが手に入りやすく、慣れてきたという理由だけで使い続けています。指で描かれた絵は歴史を通して存在しており、私は絵を描くには筆や特定の道具を使わなければならないという固定観念に固執していません。また、このことがステイタスの確立になるとは全く考えておりません。
Q4. 現在、あなたの作品では、特殊な石膏紙とシルクを裏打ちしたドローイングシートを組み合わせています。これらの素材は、表面と奥行きを多層的に表現することを可能にします。これらの基質は、あなたのテーマである錯覚的な時空という論理の中でどのように作用し、鑑賞者にどのような現象学的体験を喚起するのでしょうか?
A4. 漆喰紙は、版画にする第一段階において、色の再現性に優れているため、作品の奥行き感が良好な状態で表れます。また、加筆、加工により多層性をより表現することが出来ますので、作品により、一見、油絵と間違われるケースも多く見られます。また、シルクを使った紙は、現在朱子織のものを使っており、それは柔らかな、上品な光沢を放ちます。多層性は期待できませんが、織物自体に深みがあり、表現上の相乗効果となっております。絵に上品なやさしさを求められる方に適しておりますが、色の再現性は高くなく、創作第一段階での色選びが限定されてきます。
Q5. あなたのデジタル・フレスコ・ジクレー技法は、積み重ね、修正、そして意図的なスローダウンのプロセスを通してイメージを構築することを特徴としています。制作の時間性、特にスピードと結び付けられることが多い媒体における制作は、感情的な存在を安定したテーマ軸として捉えることにどのように貢献しているのでしょうか?
A5. 一つの作品につき、構成決めから仕上げまでに要する時間は、一ヶ月から数ヶ月になります。それよりも短い時間で仕上げる必要がある場合は、予め描いておいた背景をその目的用にアレンジするなどし、時短対応することが可能です。更に、作品によっては、デジタル画像として納品することも将来的に考えております。納期により、作品の納品形態が変わることはありますが、テーマ軸に影響を与えることはないと考えております。
Q6. あなたの作品は日本、ヨーロッパ、アメリカにまたがり、国際的な展覧会や機関からの評価というサーキットの中に位置づけられています。これらの成果は、あなたの制作活動においてどのように機能していると考えていますか?それらはあなたの作品を世界的な言説に結びつけるものなのでしょうか、それともテーマに対するあなた自身の理解を再構築する反射面として機能しているのでしょうか?
A6. 2025年は、春にARTEXPO NEWYORK、秋にLE SALON D’AUTOMNE 、そして来年のLE SALON の入選も決まっており、世界的に注目を集める展示会への出展、入選は、その反響の多さから作品の認知度向上に大きく貢献していることを実感しております。同時にその都度新しいステージのゼロ地点に立つ様な、創作に対しての緊張感が生まれます。こうして、結果を出し立ち止まって作品を見つめ直す機会を得ることは、私の芸術活動において不可欠かつ貴重な部分です。
Q7. あなたは常に人間、動物、そして自然の魂に惹かれてきたとおっしゃっています。構造主義の伝統においては、これは象徴的対応のシステムとして解釈できます。あなたの作品が目指す、象徴的な意味作用と存在の直接的な主張との間の境界をどのように調整しているのでしょうか?
A7. 人間、動物、自然の中の花や木々、幼い頃から、これら全てを魂が宿る「存在」として捉えております。感情という心のある存在としてです。私自身の中では、象徴的対応の体系と存在の間に、境界を感じたことがないと言う方が正確かもしれません。
Q8. インテリアコーディネート、照明計画、空間デザインというご経歴から、作品を取り巻く建築的な枠組みへの関心が伺えます。こうした内面性への関心は、あなたが描く主題の内面性とどのように交差するのでしょうか。また、あなたの作品は、感情的な空間の延長として、環境に関するより広範な議論に参加していると考えていますか?
A8. 絵画とインテリアの関係不可欠だと考えています。例えば、照明の当たり方は、絵の見え方に影響しますし、インテリアの色合いやテイスト、絵画は、互いに相乗効果をもたせることで、両者を引き立たせます。その上で、私の作品に対する考えについては、感情的な空間の延長ではなく、分離された心の表現、または別次元の世界観という発想で、それが視覚的にインテリアと互いに共生する上で影響を与え合うもの、そして、響く音の様に感じて伝わるものであって欲しいという理想があります。飾る目的も重要な要素です。これまでの私の展示作品は、各展示会の主旨と環境を理解し、あるいはイメージングして自然と描かれた作品になります。
Q9. あなたの作品は、装飾と概念という従来の区分を覆しています。高度に美化された表面と、感情的な存在という形而上学的な主張が共存する緊張関係を提示しています。あなたはこの境界の中でどの程度意識的に制作活動を行い、また、あなたの技術的な実践はどのようにこの二重性を支えているのでしょうか?
私にとって、絵を描くということは、全ての概念を解き放ち、文字や言葉が成立しない感覚的描写による「魂•心の表現」が基本となっております。強いて言えば、禅宗の教義である「不立文字」に近いもので、同時に、あらゆるものに『心•魂という存在』を感じることにより起こる一種衝動的行為とも言えます。ですから、自分の中では、二重性、境界線という言葉には、正直違和感すら感じ、また、技術は偶然的な出逢いによって起こる直感的行為になります。仮に従来の概念に位置づけ、敢えて二重性という言葉を使うのであれば、その二つの「存在の融合の成立」が叶った時に作品は完成されるのかもしれません。
Q10. パーマネントコレクションへの収蔵、グランプリ受賞、国際的なプロジェクトへの参加など、近年の認知度が高まり、新たな段階を迎えています。こうした活動拡大のプレッシャーの中で、あなたのテーマへの取り組みはどのように進化していくとお考えですか?作品がますますグローバルな制度的文脈に取り込まれる中で、技法、素材、あるいは根底にある探求は変化していくとお考えですか?
A10. 既存の技法を意識することなく、また時代の流行や概念に干渉されない作品つくりをしている私にとって、受賞などの経歴は、活動上の認知度向上という意味で大切だと考え挑戦しております。それは、作家としての自分のためというより、作品のためです。作品が評価され、認められ、認知度を向上させる手段に過ぎません。グローバルというのは、人は皆、地球人として捉えているため、当然の範囲と考えております。受賞や入選によるプレッシャーはあります。外的圧力により、創作意欲が妨げられることもあります。その中で、技法や素材は、経歴による変化はなく、創作上の核については、私の中では普遍的な独自の思想に基き、そこから離れることはありません。